研究と業績
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基礎研究部門

神経班

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研究紹介



1.末梢神経の再生機序の解明

神経を再生する方法、あるいは、再生を促進する方法の開発が求められています。そこで、末梢神経が再生する仕組みを解明することで、神経再生につながる知見を同定しています。例えば、シュワン細胞由来の新しい軸索再生因子、マクロファージが分泌する軸索再生因子、好中球が分泌する再生阻害因子、線維芽細胞が分泌する血管新生因子などを同定しています。写真は、修復型シュワン細胞(赤色)が軸索(緑色)に密接して、軸索再生をサポートしている様子を示しています。この所見を基に、修復型シュワン細胞の表面で発現する、軸索再生因子を同定しました。

テキスト




2.神経再生方法の開発

1で同定した神経再生因子の応用、あるいは再生阻害因子の阻害によって、末梢神経損傷や脊髄損傷の新規治療方法を開発しています。再生因子の局所投与、再建材料への付加、遺伝子導入した分泌細胞の移植、再生阻害因子の阻害薬剤の全身投与など、対象とする病理機序に応じた、様々な送達方法を使用し、強固な証明と意味のある機能回復の達成を目標としています。写真は新規に同定した軸索再生因子を分泌する骨髄間質細胞を脊髄損傷部(青色)に移植した結果、軸索(赤色)が再生する様子です。

畳み込みニューラルネットワークによる予後予測




3.新規神経保護薬の開発

脊髄損傷を含む、ほとんどの中枢神経疾患は、血液脳脊髄関門機能の破綻が、疾患の増悪要因となっています。そこで、血液脳脊髄関門機能を保護する薬剤を同定する方法を独自に開発し、数千種類の薬剤を検討した結果、血液脳脊髄関門機能の保護効果を持つ薬剤を数種類同定しました。それらの薬剤は、実際に脊髄損傷の損傷範囲を縮小し、有意な機能回復効果を示したので、現在、臨床応用に向けて開発中です。写真は同定した薬剤の投与により、脊髄損傷後の血液脊髄関門機能の破綻(IgGの漏出、緑色)が抑制される様子を示しています。

畳み込みニューラルネットワークによる予後予測




4.神経前駆細胞移植の最適化

脊髄損傷部に神経前駆細胞を移植することで、欠損した神経組織を補填し、断絶した神経回路を橋渡しすることができます。しかし、得られる機能回復は部分的であり、更なる最適化が求められています。移植細胞自身、あるいは、移植環境に介入することで、神経回路の再建を最適化し、機能回復を促進する方法を開発しています。写真は、脊髄損傷部に移植した神経前駆細胞(緑色)によって、損傷部に神経組織(紫色)が新たに形成され、皮質脊髄路の軸索(赤色)が、移植組織内へと再生する様子を示しています。

畳み込みニューラルネットワークによる予後予測




5.慢性神経障害の病態解明と治療方法開発

腰部脊柱管狭窄症、手根管症候群、肘部管症候群、慢性圧迫性脊髄症などの、慢性神経障害の罹患者は非常に多いにも関わらず、その病態の詳細はほとんど不明なままで、治療標的分子も同定されていません。そこで、臨床を模擬した様々なモデルを独自に開発し、治療標的を同定する研究を進めています。写真は、肘部管症候群を模擬したモデルの、障害部位の神経組織像で、中等度障害(Moderate)では、軸索(緑色)変性も髄鞘(赤色)変性も発症しないが、高度障害(Severe)では、その両方が生じることを示しています。

畳み込みニューラルネットワークによる予後予測


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