北海道大学大学院医学研究院 専門医学系部門 機能再生医学分野 整形外科学教室
学生・研修医の方へ

整形外科医をめざす医学生および研修医の皆様へ

整形外科医をめざす医学生および研修医の皆様へ

岩崎倫政教授

2018年度から整形外科新専門医制度がスタートしました。北大整形外科では大学病院を基幹施設として、多くの指導医を抱え十分な症例数が確保できる札幌市内ならびに地域中核病院で形成する“専攻医育成ファースト”の研修プログラムを作り上げてきました。これまで北大整形外科研修プログラムには毎年2桁の参加者があり、2020年度は15名(1名は函館中央病院プログラム)に達しました。全国的にみても多くの参加者を有するプログラムとなり、初期研修医の皆様にその内容が十分評価された結果と考えています。

 

整形外科研修プログラムは4年間です。診療技術の進歩が格段に速い整形外科において、この年数はきわめて短い期間であります。したがって、基幹および連携施設において1か月も無駄にすることなく充実した研修を送らなくては、この進歩に取り残されます。さらに、この4年間の研修成果がその後の整形外科医としてのキャリアを決定づけることも事実です。我々は、“単に専門医資格を取得するだけではなく” 10年後、20年後も優れた整形外科医として活躍できる人材を育てるべく、絶えずプログラム内容の向上を図っています。

 

北海道医師養成確保修学資金制度を利用していた方や他の地域枠医師の皆様にも、その範囲内で最善の研修プログラムを提供することが可能です。

 

以下に、現在の北大整形外科プログラムの基本的方針を記載します。

 

1. 整形外科的思考力と診療技術の獲得

4年間で大学病院と連携病院間をローテーションし、原則隔年2回は大学病院で研修します。大学では整形外科的思考力やリサーチマインドを身に着け、連携病院では実際に多くの症例を受け持ち、診断や手術を中心とした治療を行うことで整形外科医に必要な臨床能力を修得します。

 

2. 平等な研修機会の提供

連携病院の研修先は、同年次の専攻医の中での話し合いに等により平等に決定します。プログラム参加年次(参加1年目、2年目など)毎に、クリアすべき目標達成に最適な病院群が設定されています。

 

3. RIMEモデルの導入

これからの整形外科医には、より専門性(手外科、脊椎脊髄、スポーツなど)を明確にし、周囲と連携しながら患者さんのケアを行うことが要求されます。その際に最も必要な点は、医師やパラメディカルから信頼を得ることです。そのためには、正確に病態を評価しそれを周囲に正確に伝える能力が必要になります。本プログラムでは、RIMEモデルを導入し、年次毎に以下の項目の達成を目指します(カッコ内)。

 

Reporter: 正確な病歴や所見をとり、周囲に患者情報として伝える。(1年次)
Interpreter: 患者情報を正確に解釈し病態把握を行い、治療方針を立てる。(1、2年次)
Manager: 治療方針に沿った治療を行う。(2、3、4年次)
Educator: 得られた知識・技術を後進へ教育・指導する。これにより、研修成果の到達度合を自身で評価することができる。(3、4年次)

 

4. flexibilityのある研修

大学病院勤務は原則週4日体制です。1日は自己研鑽に当てることができます(他院での手術参加等も可能)。また外傷や骨軟部腫瘍、スポーツ医学等の専門性の高い領域を特に勉強したい場合には、これをプログラムに反映させることが可能です。出産や子育て、配偶者の勤務状況などを考慮したプログラム調整も十分可能です。

 

5. サブスペシャリティー研修へのスムーズな移行

4年間のうち6か月程度は、将来のサブスペシャリティーや大学院進学などを決める期間として使用します。このために参考となる連携施設を研修施設としてプログラムに組み込むことができます。これにより4年間の研修後に、自身が決めた道にスムーズに向かうことができます。

 

北大整形外科での研修に少しでも興味がある方は、随時見学・相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。

 

連絡先

整形外科 遠藤努・清水智弘

電話:011-706-5936(内線5936)

E-mail:hokudaiorthop@med.hokudai.ac.jp